診療モットー
当院は宮崎県における第一種および第二種感染症指定医療機関、HIV/AIDS 中核拠点病院となっております。後天性免疫不全症候群、輸入感染症および県内では遭遇することが多い人獣共通感染症などの専門性を有する感染症の診療を行っており、エボラウイルス感染症など一類感染症などの県内患者発生に備えての対応訓練なども行っております。
診療
外来診療:火曜日(新患、再診)、金曜日(再診)
入院病棟:7西病棟、感染症病棟
スタッフ
スタッフ2名、レジデント1名
施設認定
- 日本感染症学会認定研修施設
- 第一種感染症指定医療機関(2床)
- 第二種感染症指定医療機関(6床)
- 宮崎県AIDS治療中核拠点病院
診療実績
感染症コンサルテーション件数 2024年:482名
血液培養介入症例 2024年:436例
その他
1) 感染症コンサルテーション
当院に入院または受診されている患者さんを対象に各診療科から感染症について相談を受け、各科主治医のもとで並行して感染症診療にあたっております。当院は幅広い領域の診療科を有しているため様々な症例の相談があり、常時20-30名程の患者さんの診療をサポート(併診)いたしております。
感染症コンサルテーション数

2) 血液培養陽性例への介入
血液から微生物が検出された場合、重篤な感染症である場合が多く、迅速かつ適切な治療を要するため、血液培養陽性となった患者さんについて全症例介入いたしております。
必要時は診療担当科と相談しながら並行して感染症診療を行っております。
3) 感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)
院内感染対策は感染症内科として感染症診療と共に重要な柱であり感染症内科や小児科をはじめとした医師、感染管理認定看護師、細菌検査技師、薬剤師、事務職員よりなる感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)を構成し、院内外における感染対策に迅速に対応できるようにいたしております。感染症内科としては毎日、感染管理認定看護師(ICN)、細菌検査技師および薬剤師によるICTコアメンバーによるミーティングを行い、院内における耐性菌検出や流行性疾患などの状況把握、血液培養陽性患者への介入、抗菌薬適正使用についての評価などを行っております。また、当院は感染防止向上加算1 の届け出を行っている施設であり、複数の医療機関と連携をとり、地域における感染防止対策に取り組んでおります。
- ICT ラウンド:マイクロラウンド(毎日)、ICT ラウンド/ミーティング(毎週)、ICT 委員会(毎月)
- スタッフへの感染症・感染対策教育
- 感染症サーベイランス
- 感染症流行時の対応
- 職業感染対策
- 地域連携:感染防止向上加算1
4) 抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)
抗菌薬の不適切な使用や長期投与は、耐性微生物を発生、蔓延させる原因となります。
当院では医師、薬剤師、検査技師、看護師で「AST:抗菌薬適正使用支援チーム」構成し抗菌薬の使用を適切に管理・支援しています。
- 広域抗菌薬のモニタリングおよび長期間使用患者への診療支援
- 血液培養陽性患者に対する抗菌薬治療支援
- 血液培養複数セット採取率のモニタリング、アンチバイオグラムの作成
- 抗菌薬使用量・使用日数および耐性率などの定期的な評価
- 抗菌薬適正使用の教育・啓発
- 他施設との抗菌薬適正使用の情報共有と連携
その他
感染対策・感染症診療の教育
初期研修医は膠原病・感染症内科と共に感染症診療・感染症コンサルトに携わっております。
当院での研修の特徴としては後天性免疫不全症候群の診療、地域柄しばし遭遇する人獣共通感染症を経験することがあります。研修中には感染症診療の基本を理解できるように感染対策・感染症診療についてのレクチャーや細菌検査室でのグラム染色実習を行っております。
また、当院は日本感染症学会の認定研修施設であり感染症専門医資格を取得することが可能です
当院で経験した感染症
細菌
- 豚レンサ球菌 敗血症、髄膜炎
- レプトスピラ症
- リステリア髄膜炎・腸炎
- パスツレラ敗血症
- エロモナス敗血症
- 放線菌症
- ノカルジア肺炎
- レジオネラ肺炎
- 破傷風
- 播種性MAC感染症
- 結核(脊椎カリエス、粟粒結核.etc)
- H.cinaedi 敗血症
- ネコひっかき病
- 梅毒(神経、先天、眼)
- 侵襲性肺炎球菌感染症、髄膜炎
- 侵襲性インフルエンザ菌感染症
真菌
- 肺アスペルギルス症
- カンジダ感染症
- クリプトコックス感染症(髄膜炎、播種)
- ニューモシスティス肺炎
- トリコスポロン真菌血症
リケッチア
- ツツガムシ病
- 日本紅斑熱
ウイルス
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
- チクングニア熱(関節炎)
- オルソレオウイルス感染症
- 急性HIV感染症
- サイトメガロウイルス脳症
- パルボB-19関節炎
- インフルエンザ肺炎
- 輸入麻疹
寄生虫
- 肺吸虫症
- 豚回虫症
- 日本海裂頭条虫症
- ジアルジア症
- トキソプラズマ脳症
- アメーバ赤痢
- トリコモナス症