脳神経内科

 当科は、脳~脳神経系~脊髄~末梢神経~筋肉系、自律神経系などに障害が出る疾患を扱っています。器質的に何らかの異常を呈する疾患を診ている診療科です。精神科のように、精神的な問題(思考の異常や感情の異常など)を扱う科ではありません。代表的な疾患群は、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患、てんかんやけいれん性疾患、脳卒中(脳梗塞が主です)、脳炎・髄膜炎、脊髄炎、ギラン・バレー病、重症筋無力症、筋炎などです。近年は急速な高齢化で、軽い認知症患者さんも増加しています。またてんかん性疾患も最近は神経内科に通院される患者さんが増加しております。神経学は、神経学的診察から診断を行っていくという症候学の分野を有しており、精細な診察所見に依拠して診断を行います。それゆえ、診察に相当な時間を要することも少なくありません。

 以下のような症状の方は、是非一度当科外来を受診して下さい。

  • 頭痛
  • めまい、ふらつく、立ちくらみがする
  • 物忘れがひどくなった
  • 意識が急におかしくなった
  • けいれん
  • 手足が振える
  • 手足に力がはいらない 手足がしびれる
  • 半身がしびれる
  • 顔がゆがむ、口角から水がこぼれる
  • 言葉が喋りくい
  • 飲み込みがおかしい よだれが多い
  • 筋肉がやせてきた
  • 動作が鈍くなった 不器用になった
  • 歩き方がおかしくなった よく転ぶ

検査

 一般内科的な、尿検査、血液検査、心電図、胸レントゲンに加え、以下のような特殊な検査を行っています。

  1. 頭部CT、頭部MRI、脊椎MRI検査、脳血流検査
  2. 脳脊髄液検査
  3. 神経伝導速度検査
  4. 針筋電図検査
  5. 脳波検査
  6. 筋生検、神経生検
  7. 認知機能検査

治療

当科は、内科系であり、主に薬物療法を行います。
外来では、疾患に応じて、内服薬を処方します。特殊な薬物療法としては以下のものがあります。

  1. t-PA製剤(グルトパ)
    脳梗塞発症3時間以内、一定の条件を満たす患者さんに使用できる静脈注射の薬剤です。血管内の血栓を融解する薬物です。約1/3の患者さんでは麻痺の消失や軽減が得られます。国内では2007年11月より使用が開始され、当科でもこれまで40名以上の患者さんに投与しています。2012年9/1からは発症後、4時間30分までの患者さんにも適応が広がりました。体の半身の運動障害が出現した患者さんはできるだけ速く医療機関を受診されることをお勧めします。
  2. 免疫抑制剤~ステロイドパルス療法など
    免疫性/炎症性神経疾患である、多発性硬化症、重症筋無力症、多発性筋炎などで投与します。神経系を始めとした自己免疫疾患では重要な薬剤です。
  3. ガンマグロブリン大量療法
    ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、多発性筋炎などで投与します。
  4. 血漿交換療法
    多発性硬化症、重症筋無力症のクリーゼ(急激な症状の増悪時)に行う治療法です。血液人工透析に類似した手技であります。
  5. アルツハイマー型認知症の薬剤
    従来使用されていたドネペジル(アリセプト)がありますが、同じ薬効の薬剤としてガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ貼付剤)、また異なる薬効製剤としてメマンチン(メマリー)が開発され、薬剤選択の幅がひろがってきました。
  6. 片頭痛治療薬
    トリプタン製剤で、劇的に頭痛発作が軽減されています。内服薬ではゾーミック、マクサルト、レルパックスなど、またイミグラン注射薬も選択できます。

臨床検査科

臨床検査科の理念
「迅速かつ正確な検査を通じて患者様の診療支援を行います。」

臨床検査とは・・・

 病気診断のため、治療効果判定や病気の状態を評価するために必要な検査のことです。
 患者様から採取された血液や尿、喀痰などの分析を行う検体検査と、心電図や超音波検査など、患者様のおからだから直接測定して得た情報を解析する生体検査の 2 つに大別されます。

臨床検査技師とは・・・

 病院などの医療機関において種々の臨床検査を行う技術者であり、厚生労働省が認める国家資格を取得した医療従事者です。
 臨床検査技師には様々な専門分野があり、各学会が認定する認定技師制度があります。当院検査科にも各分野の認定技師が在籍しています。
 当院臨床検査科は、臨床検査科部長として医師 1 名、臨床検査技師 30 名(正職員 24 名、会計年度任用職員 6 名)、採血看護師 8 名で構成されています。

業務内容

中央採血室

 検査に必要な血液を採取します。検査項目により採血管が異なるため、自動採血管準備システムで採血管を準備し採血を行います。検尿がある方には採尿コップをお渡しします。

2F 中央採血室受付
中央採血室

採血を受ける際の主な注意点

 採血は通常、上腕の静脈(肘静脈)より行いますので、腕を出しやすい服装(袖口の緩やかなもの)で来院してください。検査内容によっては前日、当日の食事の内容など事前の注意が必要な場合がありますので、医師の指示に従ってください。

生化学検査

 生化学検査では、患者様から採取した血液や尿、穿刺液などを専用の分析装置で分析し、依頼項目の測定を行います。肝機能、腎機能、脂質、血糖値、感染症、腫瘍マーカーなど多くの検査結果を迅速に、かつ正確に提供できるよう努力しています。

生化学自動分析装置 Labospect 008α
免疫・感染症分析装置 Alinity i
血中薬物濃度分析装置 Dimension EXL200
腫瘍マーカー分析装置 Cobas pro e801

測定項目

  • 肝機能検査:AST・ALT・総ビリルビンなど
  • 腎機能検査:BUN(尿素窒素)・クレアチニン・尿酸・尿蛋白など
  • 心機能検査:CK・LDH・NT-proBNP など
  • 蛋白:総タンパク・アルブミン・CRP など
  • 脂質:総コレステロール・HDL コレステロール・LDL コレステロール・TG(中性脂肪)など
  • 糖尿病検査:血糖・尿糖・ヘモグロビン A1c など
  • 内分泌検査:TSH・FT3・FT4 など
  • 腫瘍マーカー:CA19-9・CEA・AFP・PSA・CA15-3・CA125・SCC・シフラ・NSE など
  • 血中薬物濃度:タクロリムス・エベロリムス・シクロスポリンなど
  • その他:KL-6・sIL-2R など

血液検査

 血液検査では、自動血球分析装置による血液中の赤血球数、白血球数、血小板数などの測定や、顕微鏡による血球形態観察や異常細胞の有無を調べます。血液疾患の診断のための骨髄検査や、フローサイトメトリー検査による細胞表面抗原検査も行っています。
 また、血液の固まりやすさや出血傾向を調べる凝固検査も行っています。

多項目自動血球分析装置 XN3100
全自動凝固測定装置 CN6000
フローサイトメーター BD FACSLyric

主な検査内容

  • 血算:
    赤血球、白血球、血小板の数を測定し、各種貧血や血液疾患、感染症の有無などが分かります。
  • 血液像:
    血液の塗抹標本を作製し、白血球の分類、血球の形態観察、白血病や癌細胞等の異常細胞の有無を顕微鏡にて観察します。
  • 骨髄検査:
    血液を産生する骨髄から骨髄液を採取し、骨髄の塗抹標本を作製します。顕微鏡で骨髄細胞の形態や異常細胞の有無などを観察します。
  • 凝固検査:
    血液が凝固しにくい出血性疾患や、逆に血栓ができやすい血栓性疾患を調べる検査です。抗血栓療法のためにワーファリン等を服用されている方のモニタリグやヘパリン療法の指標にも用いられます。
  • フローサイトメトリー検査:
    リンパ球サブセット解析(CD4、CD8、CD3、CD19)や、移植関連検査として末梢血造血幹細胞(CD34陽性細胞数)の測定などを行います。
    また、白血病や悪性リンパ腫の診断に必要な、造血器腫瘍解析も行っています。

一般検査

 一般検査では、尿、便、体腔液などを専用機器で分析を行い、精査が必要な場合は顕微鏡にて観察します。様々な種類の検体から得られる所見を見逃さず、かつ迅速に検査結果を報告できるよう心がけています。

全自動尿検査システム US3500・UF5000

主な検査内容

  • 尿定性検査:
    尿中の蛋白や糖、潜血などの性状を調べます。
  • 尿沈渣検査:
    尿中の細胞などを観察し、腎・泌尿生殖系の病変の検索や治療効果判定を行います。
  • 妊娠反応検査:
    妊娠時に分泌されるホルモンを検知するキットを用いて検査します。感度が高いキットを採用しているため、早期に陽性がわかります。
  • 便潜血反応:
    便中に血液が混ざっていないか調べます。下部消化管出血などの発見ができます。
  • 髄液検査 :
    髄液を穿刺して、中枢神経系の病態を調べます。
  • 穿刺液検査:
    胸水、腹水、心嚢液、関節液など、それぞれの体腔液が溜まった原因や病態を推定するための検査です。
  • その他 :
    尿中薬物検査、CAPD排液検査、便虫卵検査、便中好酸球検査、気管支肺胞洗浄液検査、喀痰・便中好酸球検査など

微生物検査

 微生物検査では、感染症が疑われる患者様から採取した検体に起炎菌(炎症を起こしている原因菌)が存在しているかどうかを調べます。起炎菌を認めた場合、有効な抗菌薬を特定するため、追加の検査(薬剤感受性検査)を行います。

微生物同定感受性装置
質量分析装置
全自動遺伝子解析装置 GENECUBE

主な検査内容

  • 塗抹顕微鏡検査
  • 培養・同定検査
  • 薬剤感受性検査
  • 迅速検査(細菌・ウイルス抗原)
  • β-D グルカン測定、エンドトキシン測定
  • 遺伝子増幅検査(PCR 法)

院内感染対策

  • ICT活動
    毎週 1 回院内ラウンドに参加し、耐性菌検出状況や分離菌の感受性状況などの情報を院内に提供しています。
  • アンチバイオグラムの作成
    年 1 回、当院で検出された主な菌の薬剤感受性率を集計し、医師などに配布しています。

輸血管理室

 県立宮崎病院輸血管理室は、平成13年12月、輸血業務の一元化に伴い臨床検査科内に設置されました。主な業務は、血液製剤の管理、輸血検査、日本臓器移植ネットワーク宮崎県 HLA検査センターとしての業務、輸血情報の提供等を行っています。輸血療法責任医師のもと、時間内は認定輸血検査技師を含む 2名の臨床検査技師が常勤し、時間外は臨床検査科の職員が24時間体制で緊急輸血への対応をしています。

全自動輸血検査装置 BIORAD IH-500
  1. 輸血関連検査
    ABO血液型、Rh血液型、不規則抗体検査、抗体同定検査、抗体価検査直接・関節抗グロブリン検査、交差適合試験など
  2. 輸血用血液製剤の供給と保管管理
    赤十字血液センターとの連携、輸血管理システムによる管理
  3. 自己血管理
    手術準備として採血された自己血を同種血と同様に管理しています。
  4. アルブミン製剤の供給と保管管理
  5. 組織適合検査
    HLAタイピング、抗 HLA抗体検査、フローサイトクロスマッチ、CDC検査

生理検査

 生理検査室では、技師が検査機器を使用し直接患者様を検査する生体検査を行っています。
 各診療科にて受付後、案内に従い生理検査室へお進みください。

心電図検査

 不整脈や心筋の状態などを調べます。両手首、両足首、胸に直接電極を取り付け、心臓から発生する微弱な電気信号を記録します。着脱の簡単なお洋服でお越しください。検査時間は約5分です。

マスター負荷心電図検査

 運動により引き起こされる狭心症や不整脈の有無を調べます。2段の階段を昇降運動し、心臓に負荷をかけ、心電図の変化をみます。検査時間は約15分(運動時間は3~5 分)です。

トレッドミル検査(要予約)

 医師立ち会いのもとで運動負荷をかけ心電図の変化を調べます。心電図電極と血圧計を装着した状態で、動くベルトの上を歩行し、徐々にベルトの速度と傾斜を上げて心臓に負荷をかけます。負荷前~負荷中~負荷後の心電図と血圧を記録します。検査時間は約40分(運動時間は10~15分)です。

ホルター心電図検査

 携帯型心電計で心電図を長時間記録し、不整脈の有無や心電図変化を調べます。心電計の装着(1日目)と取り外し(2日目)があるため、2日連続で来院していただく必要があります。また、解析の参考としますので検査中の行動や症状を記録していただきます。機械装着中は、入浴やシャワーはできません。機器の装着にかかる時間は約15分です。

肺機能検査(精密検査は要予約)

 肺の容量や機能を調べます。口でマウスピースをくわえ、鼻はノーズクリップで閉じます。技師の声かけに合わせて、口で吸ったり吐いたりしていただきます。患者様のご協力が必要です。検査時間は約10分、精密検査の場合は約30分です。

血圧脈波検査

 動脈の狭窄や閉塞の有無、動脈硬化の程度を調べます。両上腕と両足首にカフを巻き、両手首に心電図用電極、胸部に心音図用電極を装着し、両腕・両足の血圧を測定します。足首の血圧測定は少し痛みを感じる場合があります。また、人工透析をされている方、乳癌術後の方は、お申し出ください。検査時間は約10分です。

脳波検査(要予約)

 脳から発生する微弱な電気信号を波形として記録し、てんかんの診断や治療効果、脳障害などを評価する検査です。ペーストを使って頭皮に小さい皿状の電極を装着します。目を閉じ、安静にした状態で測定します。必要に応じて、開眼や深呼吸をお願いしたり、光刺激を行ったりすることがあります。検査時間は約1時間です。

尿素呼気試験

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染の有無を調べる検査です。空腹時に実施する検査のため、食事は8時間前まで、飲水は2時間前までを厳守してください。検査時間は約25分です。

超音波検査(要予約)

 検査部位にエコーゼリーを塗布し、プローベを直接肌に当てて、検査します。検査中に体の向きを変えていただいたり、息止めをお願いしたりすることがあります。臨床検査科では心臓、頚動脈、腹部、下肢静脈(DVT、静脈瘤)の超音波検査を行っています。検査時間は約30~50分です。

睡眠ポリグラフィー検査(要予約)

 睡眠時無呼吸症候群の原因や程度を調べたり、治療方針を決めたりするための精密検査です。入院していただいて睡眠の状態、呼吸の状態、いびきの状態、体の酸素の状態などを調べます。検査の際、複数の検査センサーを頭、顔、体につけます。

認定資格(令和5年2月現在)

  • 認定血液検査技師  4 名
  • 骨髄検査技師 3 名
  • 認定輸血検査技師 1 名
  • 認定臨床微生物検査技師 1 名
  • 感染制御認定検査技師 1 名
  • 超音波検査士(循環器、消化器、血管) 7 名
  • 血管診療技師 2 名
  • 細胞検査士 5 名
  • 国際細胞検査士 1 名
  • 緊急検査技師 1 名
  • 認定 HLA 検査技術者 1 名
  • 日本サイトメトリー技術者 1 名

学会活動

  • 日本臨床衛生検査技師会
  • 宮崎県臨床検査技師会
  • 日本検査血液学会
  • 日本サイトメトリー学会
  • 日本臨床微生物学会
  • 日本感染症学会
  • 日本輸血・細胞治療学会
  • 日本組織適合性学会
  • 日本超音波医学会
  • 日本超音波検査学会
  • 日本臨床細胞学会
  • 細胞検査士会
  • 国際細胞学会
  • 日本臨床細胞学会九州連合会
  • 日本臨床救急医学会

栄養管理科

栄養管理科 池田 直子
栄養管理科
池田 直子

 栄養管理科は、医師、管理栄養士、給食委託職員で入院中の患者さまの栄養管理を担当しています。安全でおいしい食事の提供ならびに、治療効果の高い栄養管理をめざしています。  

栄養管理科の理念

  1. 安全でおいしい食事を提供します
  2. 治療効果の高い栄養管理をめざします

食事について

 当科では、医師の指示に基づき、食事療法を必要とする患者さまには特別治療食を、食事制限のない一般の患者さまには一般食として、個々の患者さまの病状に適した食事を提供しています。

 入院中は管理栄養士がベッドサイドに訪問し、治療食の説明を行い、患者さまから直接食事についてのご意見を伺うことで、より食べやすい食事がお出しできるように努めています。

 また、食物アレルギーをお持ちの患者さまへは、アレルギー対応の食事を提供しますので、スタッフへお申し出ください。

配膳時間

  •  朝食:8時  昼食:12時30分  夕食:18時

食種

一般食 基本食 軟食 幼児食 小児基本食 離乳食 経口流動食 嚥下食 ひなた食
    主な対象疾患
特別食 エネルギー調整食 糖尿病 肥満症 脂質異常症 高血圧
ナトリウム調整食 高血圧 狭心症 心不全 心筋梗塞 妊娠高血圧症候群
蛋白調整食 肝不全 腎不全 急性・慢性腎炎
小児蛋白調整食 小児腎炎
カリウム蛋白調整食 腎不全
脂肪調整食 膵炎 胆嚢炎 肝炎
易消化食 外科術後、消化器疾患
貧血食 貧血

嚥下食について

 摂食・嚥下機能の低下に配慮した食事です。日本嚥下リハビリテーション学会「学会分類2021」に準拠しています。看護師、言語聴覚士と連携して患者さまの嚥下能力に適した食事を提供しています。

嚥下食1
〈学会分類1jに準拠〉

嚥下食2
〈学会分類2-2に準拠〉

嚥下食3
〈学会分類3に準拠〉

嚥下食4
〈学会分類4に準拠〉

行事食について

 季節ごとの行事やお祝いの日には、行事食を提供しています。また、宮崎県郷土料理を取り入れた食事なども提供しています。

郷土料理

行事食

クリスマス
正月三が日
鏡開き

ひなた食について

 悪性腫瘍治療の副作用による食欲低下がみられる患者さまを対象とした食事です。体力低下を防ぐとともに、 治療効果を高めることを目的としています。めん類やサンドイッチなど1品で栄養バランスの良い献立と、少量で 副食の種類が多い献立を組み合わせています。

1品バランス料理

多品料理

栄養管理について

 当科では、特別な栄養管理を必要とする患者さまに栄養管理計画を作成し、患者さまのからだの状態に応じて必要な栄養を提供できるよう努めています。

 また、検査値・身体計測値、食事摂取状況等を管理栄養士が定期的に確認し患者さまの栄養状態を評価しています。

個別栄養食事指導(入院・外来)

 治療のために、患者さま1人1人の病態に合わせた個別の栄養食事指導を実施しています。(予約制)
 必要に応じて、ご家族にもご説明します。

栄養教室

【糖尿病教室】
日時:毎週月・木 午後2時
場所:栄養相談室
内容:医師・看護師・管理栄養士による講話
【腎臓病教室】
日時:毎月第2・第4木曜日 午後4時
場所:栄養相談室
内容:医師・薬剤師・管理栄養士による講話
【心臓病教室】
日時:毎月第4金曜日 午後2時
場所:5階東病棟
内容:管理栄養士による講話

栄養サポートチーム(NST)について

NSTとは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科医師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそれぞれの専門性を活かし、患者さま一人一人に適した栄養療法を検討するチームです。
栄養障害の改善や、静脈栄養から経腸栄養、経口栄養への移行を目指し治療を進めている患者さまを対象に定期的に輸液管理、栄養摂取状況、各種検査結果、リハビリの状況等をアセスメント・評価し、病気の早期改善、感染症等の合併症予防に取り組んでいます。

緩和ケアチームについて

 がんの患者さまとそのご家族の身体的・精神的苦痛を速やかに適切に緩和することを目的とし医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、臨床心理士等で構成されたチームです。治療や療養において食事や栄養管理は大変重要です。 病棟ラウンドで患者さまの声を聞きながら、カンファレンスを重ね、症状緩和と食事の支援を行っています。

ほっとスープの提供

 緩和ケアの一環として、がん治療の副作用等により食の進まない患者さまへ、精神的に安らいでいただくことを願い、“ほっ”とスープを月2回提供しています。

◆材料◆ 5人分
・玄米 40g
・昆布 5cm角のもの12枚
・梅干し 1個
・水 500ml

◆作り方◆
鍋を熱し玄米をやや弱火で全体が小麦色になるまで20~25分炒る。その後、玄米、昆布、梅干し、水を中火にかける。

あなたのために-いのちを支えるスープ-
(文化出版局)レシピ参照

ICU(集中治療部)

ICU
田崎 哲

集中治療室(ICU : Intensive Care Unit)は全身管理を要する重症の患者に対して集学的治療(内科・外科等の垣根なく、あらゆる方面からアプローチする治療)を行う施設です。

 当院の集中治療室は3階病棟に位置しており手術室に隣接しています。術後患者は手術室から直接入室することができます。また1階の救急外来からはエレベーターで直結しており、他院から救急搬送された患者がそのまま入室することもあります。

 当院ICUの病床数は6床です。オープンタイプのICUで、各診療科主治医の指示の下、専属医1名と看護師26名で診療にあたっています。主な診療内容としては術後患者管理、救急患者の全身管理、院内急変患者の対応等を行っています。患者の状態を24時間モニタリングしながら状況に応じて人工呼吸器や血液浄化装置、補助的体外循環装置等の生命維持装置を駆使して診療にあたっています。毎朝8時に主治医・ICUスタッフでカンファレンスを行い患者状態の情報共有・治療方針の確認等を行っています。

 当院の特徴として各診療科の連携がしっかりしていることが挙げられます。多臓器に障害のある重症の患者が多いですが、病状に応じて循環器や呼吸器、内分泌・代謝等の各方面のエキスパートの医師にコンサルトを行い対応しています。“究極のチーム医療の実践の場”として安全に利用できるICUを目指しスタッフ一同日々努力しています。

精神科(精神医療センター)

宮崎県は平成21年4月から県立宮崎病院内に精神医療センターを開設しました。これにともない、新富町にあった県立富養園を閉院し、既存の県立宮崎病院精神科も閉鎖して、それらの機能も新しい精神医療センターに移転しました。平成22年4月から精神科救急・合併症入院料を算定しています。

特徴

総合病院に付属する精神科であることにより、精神疾患に加えて身体疾患を合併する患者さんの入院治療に対応します。
精神科救急については、平日夜間を含め、民間医療機関の後方支援を行います。
内科や外科など他の診療科の患者さんの精神科的相談を受けています。
緩和ケアチームに参加し、緩和医療に協力しています。

診療科

精神科

スタッフ

精神科医師 10名(常勤医7名)

外来

初診受診は原則として紹介予約制です。
他の病院・診療所を受診して、必要に応じて紹介状を書いてもらい、事前に予約するようお願いします。お電話でご相談ください。再診受診は原則として予約制です。
緊急時はこの限りではありません。
受付時間は午前8時30分~12時(初診は午前11時)です。

受付

病棟

全35床。閉鎖病棟のみであり、病室はすべて個室です。
全館禁煙で、入院中の喫煙はできません。病棟では携帯電話・スマートフォンは使用できません。
また持ちこめる私物に制限があります。

作業療法

必要に応じて入院中に作業療法を行っています。
専属の作業療法士が対応します。

作業療法

デイケア

外来では回復期の治療とリハビリテーションの一環としてデイケア・ショートケアを行っています。専属の看護師と作業療法士がプログラムを作成します。

  • デイケア 9時~15時
  • 午前ショートケア  9時~12時
  •  午後ショートケア 13時~16時
デイケア

訪問看護

外来では在宅生活や社会復帰へ向けての支援を行っています。専属看護師が対応しています。入院中から社会復帰まで継続したサービスを提供できるよう努力しています。

診療実績等

  • 令和3年度 延べ外来患者数 7,978名
  • 令和3年度 延べ入院患者数 6,496名

臨床工学科

臨床工学技士の紹介

 当院では、平成12年4月より臨床工学技士が配属され、平成22年4月に臨床工学科が設立されました。
 臨床工学科では、生命維持管理装置(人工透析装置・人工呼吸器・麻酔器・人工心肺装置・補助循環装置・ペースメーカ・除細動器)などの操作および保守管理を行っており、現在9名のスタッフが透析室、手術室、心臓カテーテル検査室、ICU、病棟等に派遣され、チーム医療の一員として活躍しています。

当院の臨床工学技士業務

医療機器管理業務

 病院内で使用するシリンジポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器、低圧持続吸引器などの医療機器を中央管理しております。機器管理ソフトにて貸出、返却、点検履歴などを一括で管理し機器のトラブル対応や日常点検、定期点検などを行っております。
 また、定期的に研修医や看護師、他職種スタッフなどを対象に医療機器の学習会を行っております。

血液浄化療法業務

 人工血液透析(HD)、持続的腎代替療法(CRRT)の他アフェレーシス療法(血漿交換療法(PE)、二重濾過血漿交換法(DFPP)、血漿吸着療法(PA)、直接血液灌流法(DHP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)などに対応しています。*当院は腎移植施設であるため腎移植前の治療や移植後の急性拒絶反応治療としての各血漿交換療法も行っています。最近は血液疾患に関する末梢血幹細胞採取や骨髄濃縮、顆粒球採取、血小板採取等が増えており臨床工学技士の活躍の場が広がっています。

心臓カテーテル室業務

 心臓カテーテル室においてDrや他職種スタッフと共に業務を行っています。内容はポリグラフの他、PCI、CAG等における補助業務やFFRやIVUSなどの虚血診断,またペースメーカやICD、CRTDなどの植え込み・交換の際の介助や機器の操作も行っております。近年は不整脈に対する電気生理学検査、カテーテルアブレーション治療に対するサポート業務も増加しています。IABPやECMO等の補助循環使用の際は適切な対応ができるよう24時間管理体制を整えています。

人工心肺操作業務

 手術室において人工心肺装置、心筋保護液装置、自己血回収装置の操作などを行っています。チーム医療の一員として心臓血管外科医や麻酔科医、看護師、他職種スタッフと協力し日々の業務を行っています。また、積極的に学会や研究会等に参加し知識、技術の研鑽に努めています。

手術室業務

 麻酔器や医療機器の保守・点検、手術中の医療機器トラブル対応、自己血回収装置を使用する手術における機器の準備や操作、硬性鏡を使用する手術における機器準備・操作などを行っています。また恒常的ペースメーカ植え込み患者の手術の際のペースメーカ設定変更など多岐にわたる業務を行っています。

心臓埋め込みデバイス管理業務

 恒常的ペースメーカを植え込んだ患者さんのフォローアップを目的とした「ペースメーカ外来」を毎月行っており、各社プログラマーを操作してペースメーカが適切に作動していることや電池寿命のチェックを行い、必要があれば設定変更を行っています。最近は遠隔モニタリングを活用したデバイスのフォローやMRI対応業務が増加しています。

有資格状況

資格名
3学会合同呼吸療法認定士
血液浄化専門臨床工学技士
日本アフェレシス学会認定技士
透析技術認定士
体外循環技術認定士
臨床ME専門認定士
医療機器情報コミュニケーター(MDIC)

病理診断科

病理診断科の信念と現状

病理診断科 丸塚 浩助
病理診断科
丸塚 浩助

 県立宮崎病院は宮崎県下の医療の中心として,高度医療・急性期医療・政策医療の提供することを病院の理念としています。我々,病理診断科もその理念に呼応すべく,すべての診療領域に高水準で迅速かつ的確な病理診断を提供することを目指しており,それらを遂行する為に最新の知見に基づく検索・追及をしています。

 当院の病理診断科は,病理専門医・研修指導医2名、臨床検査技師7名(臨床検査科所属:常勤6名,非常勤1名,うち細胞検査士 5 名)及び事務職員2名の総勢11名が『my crew deep』として信頼できる仲間たち皆でサポートし合い、膨大な業務をこなしつつ個々で研鑽を積み、診断精度・技術の更なる向上を目指しています。今年1月,開院100周年に合わせたように新病院へ敷地内移転し,病理診断科は手術室に隣接して3階中央,正に病院の中心に位置することとなりました。新病院移転に合わせて,環境管理・感染対策等厳しく設定し,酸素クラスター及びドラフト・安全キ ャビネットを導入し,ほとんど臭のしない素晴らしい環境の病理室を構築できました。切除検体処理室及びホルマリン固定室を病理室内に併設し,術後すぐに検体処理できるようになりました。また,全ての手術室の術中ライブ画像や病理組織画像等を双方向でやり取り出来るシステムが本年度中にも完成予定で術中迅速診断の際に大いに活躍するものと思われます。その他,自動染色装置2台(組織用:サクラ製,細胞診用:Leica社製)・自動免疫染色装置2台(Leica社製,Bond-III)・LBC(BD社製,半自動)等ほか,顕微鏡や画像撮影装置も順次最新型に更新しています。

 病理診断が担う業務範囲はほぼ全科の診療に関わっているため,すべての診療科に対応していかなければなりません。しかし,少人数で全ての領域を高いレベルでカバ ーするのは必ずしも容易ではありません。そのため,各診療科とカンファレンスを行い,臨床病態と病理診断との整合性を確認しています。病理学分野のみならず,医学全般にわたる情報を取り入れ,精度の高い病理診断を行うことは不可欠であり,病理技術も含め宮崎県のすべての診療施設に還元・発信することが重要だと考えています。
 当科のモットーであるATP「明るく(A)、楽しく(T)、ピシャ〜っと!(P)」をエネルギーに笑顔・笑い声の絶えない明るい職場として,年々増加の一途をたどる膨大な量の業務(下記表参照)を遂行しています。

 2022 年度のテーマは,『SMART』(きびきび,賢く): Strictly(厳格に), Mindful (注意深く), Actively(積極的に), Rapidly(迅速に), Team(チームとして) 更なるレベルアップを目指して,日々努力して参ります。

業務内容

病理解剖(剖検)

 「白い巨塔」大河内病理学教授の言を借りるならば,『病理解剖というのは一言でいえば、不幸にも死の転帰をとった患者の最終的な全身検査とでもいうべきもので、疾病の原因やその経過、結果などを詳細に観察検討して疾病の理論を科学的に確立するために行なわれるものです』 いわば,亡くなられた患者さんの最後の表現の場であるので,それをきちんと受け止めるだけの体制を整備し,詳細な検討を加えるべきだと考えます。全国的な傾向同様,解剖体数は減少の一途で,年間10症例を確保する程度であり,初期臨床研修・内科学会認定施設等の維持も厳しくなってきています。

 剖検の実施は月曜から金曜の8:30から17:30に執刀できるものを基本としていますが,時間外や土日・休祭日にも可能な限り対応しています。基本的には全例CPC(Clinico-pathological conference)を行い,臨床医との協議の末,最終剖検診断を行います。CPCはほぼ毎月1症例,内科と連携して開催されます。他診療科の症例においては,各カンファレンスの際に開催しています。その後に最終剖検診断としてご遺族に報告されます。

 なお同カンファレンスは卒後臨床研修制度の必須項目であるCPCレポートの一環として,研修医が臨床歴のプレゼン・質疑応答し,各研修医にレポートを提出させることにしています。また,新専門医認定制度における病理専門医養成のために,宮崎大学医学部附属病院病理専門医研修プログラムの連携施設として参加しており,専門医研修の一環として,解剖症例の提供を行っています。

病理組織診断

 受付件数は下記表の如く,約5,000件(検体数:約7,000件、組織標本枚数:約45,000枚)で,病院の性格上,生検診断に対して手術材料診断件数の割合が高く,重篤度の高いものや,合併症などで複雑な病態を呈するものも多く,早急な結果を求められることも常です。また稀少症例なども多く,これらの解析における病理部門への要求度も高くなっていますが,すべての診断において2名の病理専門医によるダブルチェックを行い,診断精度向上に努めており,「病理診断管理加算2」の算定条件以上のチェック体制で診断クオリティを高めています。また,他施設へのコンサルトや論文や学会における最新知見の情報収集し,さらに各学会に症例や研究内容を提示する事で病理診断における精度管理を行っています。

 基本的には組織標本が作製された当日(受付の翌日)には報告するようにしています。特殊染色や免疫組織化学染色を要する症例はその結果を後日,追加報告という形で電子カルテに公開するようにしています。2021年度は受付数・検体数は,新型コロナの影響で減少した昨年から少し回復傾向にあり,作製ブロック数は過去最高を記録し,不要不急の大きな手術の割合が高かったことを示しています。最も受付件数の多い産婦人科検体の作製標本を1ブロック2枚から1枚に減数することで作製標本枚数を制御しました。免疫組織化学染色においては,現代医療に対応できるように各種抗体を整備し,診断や病態の理解及び治療に反映できるようにしています。また,他施設で行われた病理診断に対する再評価依頼も多く,他施設と連携を取りながら,地域全体でのレベルア ップも念頭において業務遂行しており,難解例では,九州管内のみならず,全国のスペシャリストへ個人的または日本病理学会を介してコンサルトすることで対応しています。

術中迅速診断

 迅速組織診断は年間300件強行っており,1検体20分程度で診断報告を行っています。迅速組織診断を行う症例では,可能な限り細胞診断(穿刺吸引・捺印ほか)も併せて行い(保険診療上には算定されないため,下記の迅速細胞診数には含まれていない)精度向上に利用しています。特に,消化管や肺部分切除など機械自動吻合においては,実際の切除断端を最も正確に反映させることができるステープル断端面の擦過・捺印細胞診も行っています。

細胞診断

 年間約7,000検体前後で,現在,日本臨床細胞学会認定の細胞検査士5名が在籍し,常時3名が細胞診断を担当し,1〜2名によるスクリーニング後,約 20%の疑陽性・陽性症例及びリンパ節,乳腺や甲状腺の穿刺吸引材料や迅速細胞診は,病理専門医と細胞検査士が協議し,最終報告しています。2018年度からは細胞診担当技師全員の参加のもと,討論・最終診断を行い,診断基準・診断レベルの均一化,症例の共有を図 っており,細胞検査士資格取得前のトレーニングにもなっています。
 標本作製のほとんどは, Liquid-based cytology(LBC、BD社)法を導入し,免疫細胞化学へも応用しています。また,気管支鏡検査や CTガイド下生検では Rapid On-Site cytological Evaluation: ROSEを行っており,患者負担軽減を図るとともに,近年増加している遺伝子検索のサンプリングも同時に行っています。

年度 2013 2014 2015 2016 20172018201920202021
組織診受付数 4,187 4,723 5,108 5,006 4,9525,2045,4514,5704,740
組織診検体数 5,574 6,385 6,943 6,784 6,6577,1927,8027,0537,270
ブロック数 12,34313,88214,62514,697 14,47116,81817,95216,21018,052
組織スライド数30,06233,83840,24738,69238,97943,06347,49045,04140,034
免疫染色枚数 4,290 5,204 6,563 6,064 6,0525,9367,1457,0305,053
術中迅速件数 250 265 292 314 305341326334313
細胞診受付数 5,910 6,214 6,596 6,629 6,2636,5826,2085,7405,739
細胞診検体数 5,205 6,546 6,973 7,047 6,7467,0646,6916,6186,205
細胞診スライド数 8,590 8,983 9,791 9,936 9,76710,38010,3839,8139,554
細胞診迅速件数4148531701992892525261
病理解剖症例数 7 10 8 13 7121394

正確・迅速な病理診断で 適切な診療を導く!
患者さんのために!

臨床各科との症例検討会

 ほぼ毎日のように年間240回にも及ぶ各診療分野とのカンファレンスを開催・参加し,病理診断の根拠となる肉眼・顕微鏡画像を提示しながら行っています。その他にも主治医とのディスカッションは随時行っています。また,できる限り多くの病理情報を電子カルテ上に展開することを心がけており,手術標本は全例において全体像や割面像、組織標本採取部位,必要症例では病変の広がり(マッピング図)を公開しています。一部の症例では組織像や細胞像も掲載しており,これらを患者・家族への説明にも利用してもらえるように配慮しています。また,他施設検体においては,平成26年度導入のバーチャルスライドシステムを用い,デジタル画像として永年的に活用出来るようにしています。将来的には,全ての症例において,診断根拠となる病理組織・細胞画像をバーチャルスライド化し,電子カルテと連携出来るようにする予定です。このシステムにより病理部門においてもこれらの画像を迅速に活用でき,組織診断及び細胞診の相互の精度管理や癌再発の診断にも利用することが可能となると考えています。

  • 剖検所見会(CPC)(内科カンファレンス,第3火曜日,16:00〜)
  • 腎生検カンファンレス(毎週月曜日15:00〜)
  • 外科手術症例カンファレンス(毎週火曜日17:30〜)
  • 血液疾患症例カンファレンス(毎週火曜日 17:00〜)
  • 婦人科病理カンファレンス(毎週水曜日17:00〜)
  • 呼吸器合同カンファレンス(毎週木曜日17:30〜)
  • 泌尿器病理カンファレンス(隔週木曜日16:00〜)
  • 消化器外科術前カンファレンス(毎週金曜日 7:30〜)
  • 乳腺病理カンファレンス(隔週金曜日16:30〜)
  • 皮膚病理カンファレンス(隔週金曜日17:00〜)

個別項目

学会活動

・日本病理学会・国際病理アカデミー・日本臨床細胞学会・国際細胞学会・日本臨床細胞学会九州連合会・日本癌学会・日本血液学会・日本リンパ網内系学会・日本血液病理研究会・日本血栓止血学会・国際血栓止血学会・日本血管生物医学会・日本ヒト細胞学会・日本婦人科病理学会・日本婦人科腫瘍学会・日本臨床衛生検査技師会・宮崎県臨床検査技師会

認定資格

  • 日本病理学会認定施設(7014)
  • 日本病理学会認定病理専門医・専門医研修指導医
  • 日本臨床細胞学会認定施設(0495)・日本臨床細胞学会認定細胞診専門医
  • 日本臨床細胞学会認定細胞検査士・国際細胞学会認定国際細胞検査士

救急・総合診療センター

 平成24年創設の救命救急科と平成27年創設の総合診療科の2つの科から成り立っています。それぞれの診療科の特性を活かし、連携を取り合いながら診療に取り組んでいます。

麻酔科

麻酔科の紹介

県立宮崎病院は2022年1月に新病棟が稼働開始。従来7室であった手術室は10室に増えました。それに応じて麻酔科医の数も一名増員し、総勢8名(認定指導医7名、後期研修医1名)で日々の業務に取り組んでいます。2021年度に手術室で施行された総手術件数は3,374件、うち麻酔科医の管理下で2,506件の手術が行われました。

麻酔管理は全身麻酔(全静脈麻酔が主)を主体とし、各種局所麻酔法(硬膜外麻酔、末梢神経ブロック、脊髄くも膜下麻酔)を積極的に併用しています。穿刺ならびにカテーテル挿入時には超音波診断装置を利用することでより安全な手技を目指しています。術後鎮痛には患者自己制御鎮痛法を利用して、痛みに対して迅速に対応しています。より質の高い麻酔管理を目指して、麻酔関連薬物の新規導入も積極的で、2007年よりレミフェンタニル(超短期作用型オピオイド)、2010年よりスガマデックス(強力な筋弛緩薬拮抗薬)、そして2022年よりオンダンセトロン(強力な術後用抗嘔吐薬)が利用可能となっています。

県立宮崎病院は、宮崎県の中核病院として、できる限り患者緊急搬送に対応するよう尽力しています。麻酔科スタッフは365日24時間オンコール体制のもと、手術室が許容できる限りの緊急手術を受け入れています。

2021年度 麻酔件数と手術件数

診療科 麻酔科管理 対前
年度
(%)
総手術件数 対前
年度
(%)
定例
手術
緊急
手術
合計 定例
手術 
 緊急
手術
 合計
外科 591 92 683 30(4.6) 651 103 754 45(6.3)
心臓血管外科 79 36 115 -9(-7.3) 83 51 134 -3(-2.2)
脳神経外科 41 17 58 1(1.8) 44 43 87 1(1.2)
整形外科 318 237 555 55(11.0) 393 325 718 111(18.3)
産婦人科 273 130 403 56(16.1) 501 137 638 -34(-5.1)
皮膚科 29 4 33 26(371.4) 50 5 55 19(52.8)
泌尿器科 113 12 125 8(6.8) 205 53 258 41(18.9)
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 180 31 211 -47(-18.2) 218 38 256 -52(-16.9)
眼科 21 2 23 4(21.1) 119 5 124 -215(-63.4)
歯科口腔外科 120 2 122 36(41.9) 120 5 125 39(45.3)
内科 12 4 16 8(100.0) 50 12 62 12(24.0)
小児外科 131 31 162 18(12.5) 131 32 163 13(8.7)
合計 1,908 598 2,506 186(8.0) 2,565 809 3,374 -23(-0.7)

歯科口腔外科

 当科は歯科口腔外科という診療科名を標榜しています。口腔外科は一般歯科の治療(むし歯の治療や入れ歯の治療、歯周病の治療等)や歯科矯正治療(歯並びを治す治療)は行わず、口腔・顎・顔面領域に発症する疾患(炎症性疾患、嚢胞性疾患、唾液腺疾患、外傷、良性腫瘍、悪性腫瘍、顎関節症、顎変形症、唇顎口蓋裂等)を中心に治療を行う科です。
 保険外診療のインプラントは行っていません。ただし、全身疾患を有する歯科治療で総合病院でなければ治療できない患者様や、他科に入院中で歯科治療が必要な患者様の歯科治療等も行っています。
 最近ではがんあるいは心疾患の周術期口腔ケアの依頼のために、他科からの紹介も増えてきています。これらの患者様は退院時には、地元の歯科医院へ継続治療の依頼も行っています。

 月~木曜までの午前中は、歯科医師4名で外来診療(初診・再診の診察)を行います。スタッフは他に、看護師2名、歯科衛生士3名です。外来には歯科治療ユニット6台を設置しています。午後からは局所麻酔、静脈内鎮静法あるいは静脈麻酔下に行える外来手術(埋伏歯の抜歯術、歯根端切除術、嚢胞摘出術、腫瘍切除術、小帯切除術等)を行っています。また午後の時間帯は他科入院患者様の病棟往診にも充てられます。
 中央手術室を利用する手術については、全身麻酔下に行う手術症例は毎週金曜日の午前9時より行っています。
 以上のように初診の患者様以外は全て予約のもとに診療や手術を行っています。当科の專有病床は6床です。

当科の特色

 当科は日本口腔外科学会で登録されている「口腔外科研修指定病院」です。当科は、全国の大学歯学部口腔外科、大学医学部歯科口腔外科や病院歯科口腔外科と同様に、若い歯科医師が口腔外科専門医あるいは認定医の資格を取得するための必要な研修単位以上に症例を診ることができます。
 つまり外来患者数、入院患者数ならびに手術症例数が規定数を満たしている施設です。現在までに複数の専門医、認定医の取得者が育ちました。

当科の診療実績

 令和3年度の新患数は1,589名、外来のべ患者数は8,636名、紹介患者数1,142名、紹介率76.6%でした。
 宮崎県全域から患者様は受診されますが、多くは宮崎市、東諸県郡で、西都市、児湯郡、都城市、小林市、えびの市等からも受診されます。
 入院治療を必要とする患者様は年間200例を超えており、令和3年度は125例でした。
 以下に当院で施行しました各分野の手術数を掲載します。

手術症例内容(手術室使用例)

令和1年度 令和2年度 令和3年度 計(過去3年)
唇顎口蓋裂2327
顎変形症3549 57141
炎症66 921
外傷136 1534
嚢胞ならびに良性腫瘍32161967
悪性腫瘍2291344
その他(埋状智歯抜歯等)1743410218
      計284 123125532

当科からのご案内

宮崎歯科口腔外科研究会

 当科では「宮崎歯科口腔外科研究会」を設立しています。平成8年2月23日、当科を事務局とする研究会を発会しました。この研究会は宮崎県内の歯科医師を中心として、日常の診療中に遭遇する様々な治療困難例の画像写真、病態写真、その他の検査デ-タ等を持ち寄り検討会を行ったり、全国から講師を招き講演会を行い、口腔外科的診療技術の向上を図ることを目的にしています。年に1~2回開催します。入会を希望される歯科医師を歓迎します。入会は随時可能で、入会金・年会費はありません。当日会費のみです。

入会ご希望の先生は下記へご連絡ください。 〒880-8510 宮崎市北高松町5-30
県立宮崎病院 歯科・口腔外科
TEL:0985-24-4181 FAX:0985-28-1881