第29号 県病院から こんにちは

2018.07.05

今回の医療トピック!

神経内科より 〜高齢者とてんかん〜

テレビニュースや新聞紙上で、認知症の高齢者やてんかんの持病を持つ高齢者の交通事故が頻繁に報道されるようになってきました。今回はこの中で特に、「てんかん」と高齢者について少し話題にしたいと思います。以前なら、「高齢者とてんかん」と言ってもあまりぴんとこないお話で、「てんかん」と言えば、やはり子供の病気で、遺伝する病気だと思い込んでおられる人もいるかもしれません。しかし、超高齢社会を迎え、てんかんの高齢患者さんは確実に増えています。65歳以上では発病率が上昇し、10歳以下と同じレベルの0.81%に達します(図参照)。平成27年版高齢社会白書によると3300万人の高齢者のうち、約30万人がてんかんを発病すると予想されています。高齢者のてんかんは約3分の2が症候性てんかん(二次性てんかん)といわれるもので、原因疾患は脳卒中関連が3~4割と最多で、頭部外傷、アルツハイマー病、脳腫瘍などがあります。しかし、約3分の1は明らかな原因がはっきりせず、加齢に伴い誰にでも起こりえます。高齢者のてんかんで最大の特徴は、いわゆる”ひきつけ”を伴わない静かで、地味な、わかりにくい発作です。このため発見が遅れ、診断が遅れます。この型の発作は、「複雑部分発作」と言います。

複雑部分発作の症状

  1. 一点を見つめ、ぼーっとしている。
  2. 問いかけに返答がない。(的外れな返答をする)
  3. 口をもごもご、手をもぞもぞしている。(意識ははっきりしない)
  4. 動作が止まっていることがある。
  5. 何をしていたか覚えていないことがある。

以上が代表ですが、ご本人は意識がなかったわけですので、周りの方、特にご家族にこのような症状がなかったか注意をしていただく必要があります。

複雑部分発作の特徴と注意点

  1. 分かりにくく、気づきにくい。
  2. 患者さん本人は気付いていないため、本人だけの診察では診断できない。
  3. 意識がなくなるため、事故(交通事故、溺水、転倒/転落、火傷)などの日常生活の危険が高まる。
  4. 運転免許の取り消しなどにかかわってくる。

認知症では、日常的に記憶障害や認知機能の低下が存在しますが、高齢者てんかんでは、発作中は記憶がありませんが、発作の前後ははっきりしています。

運転免許の問題

高齢者に限らず、以下の原則があります。免許の取得または更新では、病状などを確認する質問票(過去5年以内に意識を失ったことがあるか、身体が一時的に思い通りに動かせなくなることがあったかどうかなど)に正直に答えなければなりません。虚偽の申告をすると罰せられます。病気が原因で免許取り消しになり、その後3年未満に免許取得可能な状態になった場合には、学科試験や技能試験を受けることなく、免許を再取得できます。「てんかん」の診断を受けると、少なくとも2年間は運転ができません。

てんかん(複雑分発作)の治療

高齢者てんかんは抗てんかん薬が奏効しやすいと言われています。
若年者に比較すると高齢者では発作の再発率が高い事が知られており、初回発作後すぐに治療を開始したほうがよいと言えます。近年、発売されている抗てんかん薬は、副作用や他の薬との相互作用も少ないため、より安全に内服することが可能です。

まとめ

「認知症」とともに高齢者の「てんかん」患者さんは圧倒的なスピードで増えてきています。交通事故の原因として社会的にも大きな関心の的にもなっており、まずはご家族に十分に留意していただき、何かおかしいと感じられたら、早めに医療機関への受診をお願いいたします。

神経内科部長 湊 誠一郎

病棟紹介

ICU(集中治療室)

集中治療室(ICU)は、内科系・外科系を問わず重篤な患者様に対して集中的な治療とケアを提供することで救命と早期回復を図ることを目的としています。
心臓や肺、腎臓移植などの手術後、心筋梗塞、意識障害、呼吸不全、多発外傷などが対象となります。
医師、看護師、理学療法士、言語療法士、栄養サポートチーム、緩和ケア等と連携してチームで治療や看護にあたっています。
医療機器も多く特殊な環境ですが、安心して治療を受けられるよう患者様及びご家族の思いに寄り添っていきたいと思います。

4階西病棟

4階西病棟は、泌尿器科20床、外科16床、眼科8床、総合診療科4床の混合病棟です。
手術目的や検査目的、抗癌剤治療の方々が入院されます。手術前後の看護・健康回復過程への援助・退院後の生活指導などを行っています。早期離床に努め日常生活に早く戻れるように援助し、平均在院日数は10日前後です。入退院の激しいなか、チームワークをモットーに、患者さまが「入院してよかった」と思っていただけるように、退院後の生活も見据えた援助を行っています。

カンファレンスの様子

総合診療科は週1回他職種を交えたカンファレンスを行っています。泌尿器科・眼科も週1回カンファレンスを行い、治療方針を確認し、患者・家族支援に力を入れています。
泌尿器科では、日本オストミー協会宮崎県支部と連携してウロストーマ会の患者会を年1回開催してオストメイトの方の日常生活のサポートを行っています。
今後も、患者・家族の心に寄り添い、安心・安全な看護を提供し、満足していただける看護の提供ができるよう努力したいと思います。

エキスパートナースから 未来ある命を大切に...

近年日本の出生率は低下していますが、周産期・新生児医療の発展により早産児の入院実数は増加傾向にあります。NICU/GCUの看護師は、その未来ある小さな命を大切に育み、『後遺症なき生存』を目指し、新生児に最適・最良な看護を提供するよう努めています。

新生児集中ケア認定看護師の役割

新生児やその家族により良い医療と療養環境を提供するべくスタッフへの指導や、新生児の急激な変化を予測し重篤化の予防に努め、発達を促すための個別化されたケアの実施など新生児看護の質の向上に努めています。またNICU/GCUに入院した新生児は、産まれたときから家族と離れて過ごすため、新生児センターでは新生児だけでなく家族も支援しています。入院中から育児を行っていただくために家族ができることを一緒に考え、できる限り新生児との時間を充実したものとなるようスタッフや他職種と協働し調整を行なっています。

ご家族が新生児との関係を築けるよう家族を支える存在として、
常に最善の看護を追求していきたいと思います。

新生児集中ケア認定看護師
松下 瞳

ウロストーマ患者会の紹介

「ウロストーマ患者会」とは

尿路変更術を受け、腹部に尿の排泄口を作成した患者さん同士の交流と、泌尿器科医師・看護師からの話(勉強会)を通じて、新しい治療やケアの方法を知る事を目的とし、日本オストミー協会宮崎支部と連携して年に1回開催しています。

平成29年度の活動状況…

平成29年度は12月3日(土)に開催し、患者23名、家族3名、病院スタッフ12名、協賛メーカー6社の参加がありました。

講話内容

1 泌尿器科医師より「いきいきストーマライフ」
2 医療連携科看護師長より「社会的サポートについて」

参加者の声…

「新しい治療内容など知ることができて良かった。」
「包括支援センターや介護保険等について大変参考になった。」
「参加するたびに新しい話や出会いもあり、毎年参加したい。」
「1年に1回知人や看護師などに会えて話が出来るのが楽しみ。」

県立宮崎病院改築について

県立宮崎病院は、大正10年の開設以来、県民の皆様に安心で安全な質の高い医療を提供してきました。しかしながら、現在の病院施設は、昭和58年の改築以降34年が経過し、施設の老朽化・狭隘化が進んでいることから、診療活動に支障を来しているとともに、基幹災害拠点病院として必要な施設整備が十分ではないなど、様々な課題を抱えており、大規模な整備が必要となっております。
こうした状況を踏まえて様々な検討を行った結果、全面改築が必要と判断し、平成30年度は立体駐車場の建設に着手するほか、平成31~33年に新病院の建設、暫定開院後に現病院の解体、駐車場の整備を行うなど、平成35年度のグランドオープンを目指して様々な準備を進めています。

【新病院 建物概要】

階数:地上8階、搭屋1階
構造種別:鉄骨造(免震構造)
延床面積:新病院 約48,000㎡
(現病院 40,378㎡)
立体駐車場 6,676㎡
研修棟 3,360㎡
付属棟 1,640㎡
自転車駐車場 590㎡
災害備蓄倉庫 340㎡
倉庫 250㎡

新病院は現病院北側の駐車場エリアに計画します。西側の付属棟(一部は宮崎市夜間急病センター)、南側の精神医療センター、災害備蓄倉庫は一部機能を改修し継続利用します。新病院建設工事中の来院者の駐車場を確保するため、敷地東側に立体駐車場を整備し、新病院開院後は主に職員用(一部患者用)として利用します。
新病院1階は浸水対策として現状地盤レベルより1.5m程度のかさ上げを行い、建物を免震構造とすることで、十分な耐震安全性を確保するなど、災害に強い病院を計画します。また、基幹災害拠点病院として必要なヘリポートを整備し、傷病者の広域搬送機能を強化します。
今後は改築工事等で大変ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。なお、新病院に関する情報は、宮崎県病院局ホームページ内で随時お知らせしますのでご覧ください。

心によりそう看護を私たちと一緒に!

看護師(臨時職員)募集

応募資格看護師・准看護師の免許を有し、1年以上の経験をお持ちの方
選考方法面接及び書類選考、※履歴書1通、看護師免許証の写し1通をご準備ください
業務内容入院看護
雇用形態臨時職員(1日8時間勤務、3交替制)
給与月額22万程度(実務経験5年、交替制勤務の場合)
及び年2回一定額のボーナス (交替制勤務の場合)
健康保険等社会保険、厚生年金、雇用保険加入
その他完全週休2日制、年休制度有り、5㎞以上車通勤者は駐車場有り
準夜勤明け、深夜勤入り時のタクシー代支給制度有り

看護補助員(臨時職員3シフト制)募集

  • 無資格で看護師の補助作業や病棟環境を整える業務を担います
  • 1日8時間勤務 8,530円(完全週休2日制)

看護補助員(パートタイム3シフト制)募集

  • 無資格で看護師の補助作業や病棟環境を整える業務を担います
  • 1日7時間勤務 7,470円(月:20日間)
    ※随時面接を行っております

応募先及び問い合わせ先
電話(代表)0985-24-4181 (内線)2206 看護部まで

編集後記

今回のトピックス「高齢者とてんかん」では、昨今問題となっている高齢者の運転に深く関わっており、興味深い内容でした。てんかんは患者さんが自分自身のてんかんの専門家になることが最も大切と言われています。高齢者は自分の症状に気づかないこともあるので周りの方の気づきが大事になってきます。地域で高齢者を見守り、支え合うことが必要だと思いました。

広報委員 職員相談室 森 明美

診療受付時間
  • 新患8:20~11:00
  • 再診8:20~11:00

※予約制初診の方は紹介状・予約票をご持参ください。

病棟面会時間
  • 一般病棟15:00~19:00
  • NICU15:00〜18:00
ご意見・お問い合わせ

疾患に関するお問い合わせにつきましては、お答え致しかねますのでご了承ください。

FAX. 0985-28-1881