現在内科・呼吸器内科では、下記の臨床研究を実施しております。
この研究では、患者さんの日常診療で得られたデータ(情報)および以前にご参加いただいた下記研究のデータを利用させていただきます。
ご自身のデータがこの研究に利用されることについて、異議がある場合は、情報の利用や他の研究機関への提供をいつでも停止することができます。研究の計画や内容などについて詳しくお知りになりたい方、ご自身のデータがこの研究で利用されることについて異議のある方、その他ご質問がある方は、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。
研究課題名
当院におけるニューモシスチス肺炎症例の臨床的検討
1. 研究の概要
ニューモシスチス肺炎はPneumocystis jirovecii(ニューモシスチス イロベチ)を病原微生物とする、主に細胞性免疫が著明に低下した状態で発症する日和見感染症です。AIDS関連日和見感染症の代表的な疾患ですが、その他にもステロイドや免疫抑制剤の長期使用、抗TNFα抗体などの生物学的製剤の使用、血液腫瘍・骨髄移植、固形臓器移植など様々な免疫抑制状態が発症の危険因子となります。近年、固形癌(乳癌、肺癌、婦人科癌)などの領域では治療の発展と共に治療の強度も増しており、化学療法に伴う免疫抑制で本疾患のハイリスク患者が増加しております。本疾患は予後が非常に悪いため予防が重要とされ、HIV感染症でCD4陽性細胞数が200/µL未満の場合、ステロイドや免疫抑制剤の長期投与などで細胞性免疫能低下が予測される場合にはST合剤などでの予防投与が行われます。しかしHIV感染症以外では明確な予防開始の基準はなく、膠原病関連疾患や移植領域では予防の推奨は示されていますが明確なコンセンサスはありません。また近年発症が増加している固形腫瘍領域などでの明確な予防指針はありません。診断は難しく、喀痰PCR法などでの遺伝子検出法は非常に高感度ですが特に免疫不全患者や既存の肺疾患がある患者では偽陽性もあり、総合的に判断する必要があります。本疾患は重篤な肺炎ですが早期診断、集中治療で救命できる場合もおおく、その臨床像を明らかにすることは重要と考えられます。そこで今回、ニューモシスチス肺炎症例を後方視的に検証し、ニューモシスチス肺炎発症の予防、早期診断、治療利益につながる方法を明らかにする目的として本研究を行うこととしました。
2. 目的
当院でPCR検査にてPneumocystis jirovecii陽性と診断した症例について後方視的に解析・検討することでニューモシスチス肺炎発症予防や早期診断につながる因子を見つけ、日常診療に生かしたいと思います。
3. 対象者
当院にて2012年6月から2019年8月に当院にて治療歴を有するニューモシスチス肺炎症例が対象です。
4. 方法
対象となる方のカルテ情報から、年齢、性別、発症場所、予後、基礎疾患、原因疾患などの情報を利用させて頂き、情報の解析を行います。
5. 費用負担
この研究を行うあたり、対象となる方が新たに費用を負担することは一切ありません。
6. 利益及び不利益
この研究にご参加いただいた場合の利益・不利益はありません。参加を拒否された場合でも同様です。
7. 個人情報の保護
研究にあたっては、対象となる方の個人を同定できる情報は一切使用しません。
8. 研究成果の公表
この研究で得られた研究成果を学会や医学雑誌等において発表します。この場合でも個人を特定できる情報は一切利用しません。
9. 参加拒否したい場合の連絡先
この研究に参加したくない(自分のデータを使ってほしくない)方は下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。また、参加拒否をしたい場合は2022年3月31日までに申し出てください。
10. 疑問や質問があった場合の連絡先
この研究に関して疑問や質問があった場合は下記連絡先へ遠慮無く連絡をお願いいたします。
連絡先
宮崎県立宮崎病院 内科 姫路大輔
TEL. 0985-24-4181 (代表)